Adobe Dimension で重要なマテリアルの役割と、それぞれの違いについて知る
Updated
2022.10.15
Published
2017.12.16
この記事は Adobe Dimension CC Advent Calendar 2017 の16日目の記事です。
Adobe Dimension は、“2Dと3Dアセットのリアルな合成が簡単にできるグラフィックデザイナー向けの3Dツール”だ。 3Dの知識がなくても簡単に扱えるのがとても良い。
今回は主要な機能「マテリアル」についてまとめた。

Dimension におけるマテリアル
オブジェクトに質感を与える要素がマテリアルだ。「メタル」「黒のプラスチック」「ゼラチン」など、80種類ほどあらかじめ用意されている。
とりあえず、ざっくり分類してみた。

次の3要素が、艶消し、メタル、プラスチック、ガラスといった主要な質感のベースになっている。
粗さ
メタリック
半透明
一方、「デニム」「ポリエステル」「錆」「ワックス(ろう)」といったリアルな表現に繋がっているのは、次の値や要素だ。
表面 カラー/画像
内部 カラー/画像、屈折率、密度
法線画像
発光
こうした表現の裏にある具体的な値は、シーン(レイヤー)から現在使っているマテリアルを選択すればプロパティ欄にて確認できる。
既存のマテリアルを参考にして、オリジナルな質感をつくることも可能だ。
実際の見た目
初期のマテリアルをいくつか実際に試してみた。
※画像が少々粗いのは、私のPCのスペックが低く、小さめのサイズでなんとかレンダリングしているためです…
ぱっと見は似ていても、法線や画像の扱い方など、プロパティまで見ると何が違うのかわかる。
ガラス系
ガラス
ガラス(ダメージ)
曇りガラス
ざらついたガラス
氷

黄褐色のガラス
ターコイズのガラス
ヴィトラージュガラス
ラメ
ゼラチン

「ガラス」と「黄褐色のガラス」。「ガラス」のベースは青っぽいグレーになっている。今回背景がピンク色なので、「黄褐色のガラス」の方が透明なガラスに見える。

「曇りガラス」と「ざらついたガラス」。光の反射の仕方が全く違う。「ざらついたガラス」は言葉通り表面が粗いが、「曇りガラス」の表面は粗さ0%になっていて、法線画像で質感を表現しているためだ。

「氷」と「ガラス(ダメージ)」。小さいと差がないように見えても、拡大すると全然違うことがわかる。

金属(シルバー系)
メタル
メタル(亜鉛メッキ)
シルバー
シルバー(ダメージ)
アルミ
「メタル」以外は何らかの画像が表面にのっている。それぞれ「粗さ」とベース画像と法線画像を活用して、それらしい質感を再現しているようだ。
その他
ワックス
原油(オイル)
デニム
シマウマ
枝編み

木目(アメリカンチェリー)
大理石(ゴールド)
錆
ポリエステル
方眼紙
本当にリアルなものばかり。ちなみに今回の方眼紙は光源の影響で白とびしている。

以下、気になった点。
「原油」サムネイルは真っ黒に見えるが、実は透明
「ワックス」蝋(ろう)。ほんの少しだけ透明
「ヴィトラージュガラス」ステンドグラス。ベース画像自体が濃いので、光源の設定次第で真っ黒になりがち
「光沢紙」テカテカしているわけではない(メタリック 0%)
まとめ
初期のマテリアルも豊富だし、必要があればプロパティを編集して自分のマテリアルをつくることもできる。一通り試しておくと、いざという時のグラフィック表現で役立つかもしれない。
やってみて、マテリアルと同等かそれ以上に光源が重要だと感じた。こちらも気が向いたらまとめたい。
参考
Behanceで、Dimensionを活用したグラフィック作品が多数投稿されている。
Adobe公式のチュートリアル動画もあるのでぜひ。
余談
3DCGでは、「マテリアル」と「テクスチャ」は別物らしい。知らなかった。
3DCGで良く聞く”マテリアル”と”テクスチャ”って何?
「法線」用の画像はPhotoshopでもつくれるらしい。
PhotoshopCC 2015を使い法線Map作成