「UI Crunch UNDER25」に参加しました
Updated
2022.10.15
Published
2015.09.28

9/26(土)に、渋谷ヒカリエにて開催された「UI Crunch UNDER25」。DeNAさんとGoodpatchさんが合同で立ち上げたUIデザイン追求のためのコミュニティ主催のイベントです。タイトルの通り、25歳以下対象でした。90人枠に対して300人を超える応募がある中、ありがたいことに当選しました!
3部構成でした。
第一部 基調講演 「なぜ今デザインなのか」
第二部 デザイントークセッション
第三部 交流会
第一部 基調講演 「なぜ今デザインなのか」
第一部はDeNA南場さんの講演。南場さんは、ビッターズオークション(現DeNAショッピング)やモバゲーで有名になったDeNAの創業者です。講演の質疑応答にて、「なぜ今回この場に登壇しようと思ったのか」という問いに、UXは今の時代必須だと考えているからという趣旨をおっしゃっていました。
比較的最近のインタビュー記事はこちら。講演中にもご自身の失敗談や経験を語られていて、この記事にも共通するところが多くありました。
2年の介護で変わった夫と愛犬さくらと私の関係 -DeNA創業者 南場智子 (1/2)
内容

DeNAはどんな会社なのか
サービスのつくり方の変化 Permission型からPermissionless型へ StrategyDrivenからUI/UXdrivenへ セグメント最適化から個別最適化へ
ユーザーに喜んでもらうことをひたすら考えよう!
質疑応答
学び1.とにかくユーザーに喜んでもらうことを追求しよう
特に興味を惹かれたのは「2.サービスのつくり方の変化」のあたり。
サービスのリリース前の経営会議をなくした
ターゲットコンセプト決定やビジネスモデルの構築よりも、設計・実装やリリース後の運用を大事にする
世代や性別でセグメントするのではなく、一人ひとりの熱いファンの分析を重視する
こうしたお話の中で終始一貫していたのは、ユーザーの喜びをとことん追求する姿勢でした。自分はECサイトの制作に多く携わっていますが、ユーザー体験ありきでサイトを展開した経験がありません。過去に関わった案件ではこんなケースがありました。
「月商0000万の売上を達成する」という目標ありき。商材を集めようにも仕入れ業者がなかなか見つからず、契約しても現場のスタッフが協力的にならなかった
コンセプトは良くWebサイトも構築したものの、クライアントに予算がなくなり必要な商材を集められなかった
クライアントの予算や納期を優先しユーザー目線に立ちきらないままサイト構築を進めて、結局クライアントと揉めた
ECサイト構築では、本気で向き合うクライアントさまと二人三脚で取り組まなければなりません。今回のお話のような順序で取り組むのは、正直自分のようないち現場の人間でどうこうできる話ではない印象を受けました。しかしデザイナーとして、商材を購入して手にするユーザーの喜びや、自分たちの作った商材がお客さんの手に渡ったときのクライアントの喜びを追求することはできます。ユーザーが購入に至るまでどのような体験をするのか、その改善に向き合うことを改めて考えさせられました。
もう一つ。南場さんのお話を聞くと、デザイナーとして、クリエイターとしてそれを追求することが当たり前のように感じられます。でも自分を振り返るとそれもできていませんでした。
理由の一つは労働環境です。転職前は、新しい案件のデザイン制作やECサイトの更新業務、後輩やアルバイトへの指示や指導、提案資料の作成と様々な業務に追われる日々で、正直ユーザーの喜びをとことん追求できてはいませんでした。
全てにおいて重視していたのは、「売上をあげること」、つまりビジネスモデルの構築です。お話の中でいうところの、まさに古いサービスの作り方です。
もし転職する前に同じお話を聞いていたとして、「そんなことできるわけない」とネガティブにとらえていたと思います。ですが、転職して心の余裕ができ、ポジティブに、刺激的に受け取ることができたのかなと前向きな気持ちになれました。
学び2.「喜び」を追求するとチームが団結する
DeNAの最初のサービス、「ビッターズオークション」のエピソードが印象的です。何によって自分が喜びを感じるのか。その答えも、立場も違うメンバーたちが、一つの感動を分かち合う写真が目に焼きつきました。
自分の今の職場にも、志を持つ先輩たちがいます。きっとこれからもいいWebサイトを作っていけるのではないかと、自信につながりました。
学び3.個人でも積極的に発信・活動しよう
質疑応答の中で、採用に関する話題になったとき。優秀な人材、欲しいと思った人材は、エージェントを通じてというよりかは自分たちから口説いていく、と仰られていました。第二部のわりえもんさんの話にも通じるところがあります。
社外に向けて発信できる人の集団は、間違いなく強い。そして、自分もそんなクリエイターの一人になりたいと思いました。
やりたくなったこと
「学び1」の続きとなりますが、自分は、環境の変化でクリエイティブへの意欲も大きく変わりました。同様に、本来はクリエイティブへの意欲やスキルも高いのに、いわゆるブラックな環境で潰れてしまっているクリエイターがたくさんいるのではないかと思います。
そのような境遇の人は、自分が本当にブラックな環境にいるのかどうか認識できていないことがあります。小規模な会社であれば、雇用側が正しい情報を把握できていないことさえあるでしょう。となると、苦しい環境で働いている人がそうした環境を抜け出すには、まずは今の環境が法律違反なんだということを知ること。自分たちが悪いわけではないと知ることが大事です。
調べれば手順を示したWebサイトはいくつも出てきます。でも、安心できるWebサービスはみたことがありません。実際に辞められるのか不安が募るし、身近でも会社側が社員を訴えた場合まであり精神的な恐怖は拭えません。少しでもそうした心理状況から抜け出せる、手軽にアクセスできるサービスがあっても良いのではと思います。
自分の環境が法律違反だと分かった上で、それでも自分のやりたいことに取り組んでいる人は、それでOK。そうではない苦しいクリエイターもたくさんいるはずです。働く側に、少しでも選択肢が増えること、そして心からクリエイティブを追求できるひとが増えることを望んでいて、そういうサービスが作れたら良いなあ、と意欲が湧きました。
第二部 デザイントークセッション
学びというより共感が多かったです。共感を経て、これらに取り組もう!という想いに駆られました。
ビジネス(マーケティング)をもっと学ぼう
より多くの人が喜ぶものを作ろう
自分をアピールしよう
仲間を作ろう
1. ビジネス(マーケティング)をもっと学ぼう
Goodpatch日比谷さんの話でよく説明されていました。また、エウレカ亀山さんの、「デザインは目的ではなく、目的を達成するための手段ということを忘れない」も。
Around35のパネルディスカッションでは、デザイナーとしてできることの突き詰めや組織への落とし込みが課題という話もありました。
ビジネス側にデザインを理解してもらいたいように、少なくともビジネスにおいては、デザイン側もビジネスを知ることが必然です。WCAN2015Autumnでアビリティコンサルタント宮原さんも、デザイナーがマーケティングを学ぶことの重要性を話されていました。
2. より多くの人が喜ぶものを作ろう
正直セッションの内容とはあんまり関係ないんですが、登壇された皆さんが同年代ながらすごかったので、悔しさまじりに思ったところです。やっぱり、たくさんの人が「すごい」とポジティブに思えるものをつくりたい。
例えばFablicわりえもんさんはわかりやすい。ポートフォリオサイトすごい。実績もすごい。
OH | 割石裕太
DeNA和波さんも、グラフィックレコーディングを武器とされていてすごい。
Satomi Wanami on Behance
Goodpatch日比谷さんは、発表の情報整理がホントしっかりしていてすごいし、ブログでも考えを積極的にアウトプットされていてすごい。
UI Designer Sumire Hibiya
エウレカ亀山さんは、1000フォルダを超える量のアプリUI研究(インプット)をされていて、努力がすごい。自分も似たようなことはやってるけどレベルが違う。
自分も、負けないような実績を作っていきたいです。あと、懇親会の最後に、Goodpatch土屋さんが「世界のマーケットで戦え!」とおっしゃられていました。そういうグローバルな市場でも認められるようなものをつくっていく!!と意識してないと、登壇された皆さんに追いつくことは到底できなさそうだ、なんてことも、ふと。
3. 自分をアピールしよう
わりえもんさんのLT、「自分と向き合うセルフブランディング」を聞いて思ったところです。具体的なセルフブランディングの流れを聞いて、とても参考になりました。「戦場はどこか?」「どこで生きていくのか?」自分を見つめ直してみたいと思います。
ただ、セルフブランディングに足りる実績があることがが前提になるのでは、と感じていて、まず自分はそっちから始めなくちゃな。
4. 仲間を作ろう
DeNA南場さん、DeNA和波さん、Around35のお話を聞いて思ったところ。それに、Around35のパネルディスカッションにて、各社のベテランデザイナーが各社のデザイン事情を共有しあっている姿、それ自体が素晴らしいと思いました。
そうやって情報共有して、いいところを吸収しあってより良いものづくりへと繋げられることに、憧れも抱きます。それは、一人ではできないことです。
反省
以上、UI crunch under25に参加して学んだことのまとめとなります。はるばる参加してよかったです。こちらは入場時に配られたDeNAロゴ入りペットボトル。

振り返ってみて一番反省しているのは、参加者の皆さんと積極的に交流できなかったこと…。自信のなさもあり…。とはいえ、今回はありがたいことに5名の方と名刺交換させていただきました!先日はてなの時に0枚だったことを考えると成長した!!
イベント中は、正直フィードバックすることを第一に考えていてメモばかりとってしまっていました。でも、本当は周りの人とコミュニケーションをとったり、様子を観察することの方が大事でした。講演も面白かったのですが、「4.仲間を作ろう」よろしく、一番のメインイベントは第三部、懇親会での友達(仲間)づくりだったんだろうなあと。
長くなりましたが、こうして文章にして見ると、自分の課題が改めて見えてきました。ひとつ一つ着実に積み重ねていきたいです。
